albatros blog

広田修の書評とエッセイ

2019-01-01から1年間の記事一覧

家庭と仕事

人間は社会的動物ですから孤独には生きられないし、社会的規範にのっとって日々暮らさなければいけません。背負うものがない、負担がないということは、同時に喜びや社会的承認もないということです。現代人は大人になると仕事につき家庭を作ることが多いで…

スタンプラリー

スタンプラリーは楽しい。だがおそらく一人で巡ったのでは楽しくはない。親しい間柄の人と一緒に回るのが楽しいのだと思う。去年は酒蔵をめぐるスタンプラリーを回り、見事景品をゲットした。今年は花のスポットを巡るスタンプラリーをやったが、景品はもら…

頭痛

今朝は頭痛がして食欲がなく、一度出勤したものの仕事が手につかず退勤した。早速医者にかかったところ、私はものすごく肩が凝っていたらしく、肩こりからくる頭痛だと診断された。確かに、今の部署に入ってから細かいデータ入力やデータ管理が多く、日々肩…

『田野倉康一詩集』

田野倉康一詩集 (現代詩文庫) 作者: 田野倉康一 出版社/メーカー: 思潮社 発売日: 2016/08/12 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 詩は言語による美的構成体である。もちろん「美的構成体」といってもその定義は様々になされるで…

心折れそうなとき

先々週、仕事上のトラブルが重なってその心理的ダメージを引きずっています。そして、先週から今週にかけて家庭上のトラブルがあり、なんか久しぶりに人生の谷がやってきたなというところです。昨日はだいぶ心折れそうでした。まあ、結婚生活、新しく直面す…

雨の休日

今日は雨である。昨日とおとといは何かと忙しく、今日は何となく疲れている。妻も朝ご飯を作った後疲れて寝てしまい、私は一人居間で本を読んでいた。雨の日、人は思索的になる。雨の日、人は己の内面を見つめる。結婚生活ももう9か月、いろんなことを積み重…

李琴峰『独り舞』

独り舞 作者: 李琴峰 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/03/29 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (1件) を見る ヒロインはレズビアンであり、また性犯罪被害を受けることでうつ病を発症している。また、恋人との別れを繰り返し、心に傷を負ってい…

午後休の使い方

私は昨日体調もすぐれず、また外耳炎の治療の必要があったため午後休をとった。思えば午後休というのは便利な制度である。使える年休には限りがある中、また日々仕事で忙しい中、ちょうどいい具合で休みが取れるのはとてもいい。 多少体調が悪くても半日なら…

今村夏子『星の子』

星の子 作者: 今村夏子 出版社/メーカー: 朝日新聞出版 発売日: 2017/06/07 メディア: 単行本 この商品を含むブログ (14件) を見る ヒロインは一風変わった女の子で、どこか周りから冷淡に扱われている。また、両親が宗教に入っていることもあり、それも周り…

上半期の総括

今年度ももうすぐ上半期が終わります。この上半期、結構毎日忙しかったです。休日も何かと用があったりしてよく休めないまま次の週へ、ということがよくありました。働き方改革が始まり、仕事と家庭の両立ということも課題でした。とにかく私は家庭を持った…

古川真人『縫わんばならん』

縫わんばならん 作者: 古川真人 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2017/01/31 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 小説は個人の唯一の人生を超え出るものである。もちろん、読書体験もまたその個人の人生の一部に過ぎないわけであるが、その個人の…

本物の休み

サラリーマンの休日は忙しい。いろんな生活の雑事を休日にこなすため、休日は買い物に行ったり書類を書いたり髪を切ったりなどやることが集中する。休日に旅行の予定を入れると、確かに旅行は楽しいのだが疲れもする。さらに、基本的に週末は一週間の疲れが…

夏バテ

昔はよく夏風邪をひいたものだが、夏風邪をひかなくなってからは夏バテをするようになった。夏バテの一番わかりやすい症状は、夜寝るときに疲れがつらくてなかなか寝付けないことである。これがやってくると夏バテだと判断する。この辛い症状は病院に行って…

CT検査

7月に人間ドックに行った。結果として、肝臓の値やコレステロールの値が改善していたのはいいのだが、エコー検査で、左腎臓に何かあるかもしれないから精密検査を受けるように言われたのだ。後日届いた検査結果書には「腫瘤の疑い」とあった。「腫瘤」とは…

絲山秋子『薄情』

薄情 (河出文庫) 作者: 絲山秋子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2018/07/05 メディア: 文庫 この商品を含むブログを見る 主人公は群馬の神社を継ぐために東京の大学を出て地元に戻ってきた30代の若者だ。主人公はまだ精神的なよりどころを見いだ…

エルフリーデ・イェリネク『死と乙女 プリンセスたちのドラマ』

死と乙女 プリンセスたちのドラマ 作者: エルフリーデイェリネク,Elfriede Jelinek,中込啓子 出版社/メーカー: 鳥影社ロゴス企画 発売日: 2009/06/01 メディア: 単行本 クリック: 2回 この商品を含むブログ (2件) を見る なんともとらえようのないカオティッ…

秋の始まり

短かった夏も終わり、朝晩涼しくなってきた。ようやくものみな熟す季節になってきた。この恵まれた天候の季節に、仕事もプライベートも充実させたいと思う。読書のペースはずっと維持してきたが、アウトプットが足りないように思う。詩を書くのはもちろん、…

ボフミル・フラバル『厳重に監視された列車』

厳重に監視された列車 (フラバル・コレクション) 作者: ボフミル・フラバル,飯島周 出版社/メーカー: 松籟社 発売日: 2012/09/14 メディア: 単行本(ソフトカバー) 購入: 1人 クリック: 38回 この商品を含むブログ (14件) を見る ナチス支配下のチェコスロ…

お盆

今年もお盆がやってきた。妻の実家にあいさつに行ったり、妻を連れて実家の墓参りに行ったり、花火大会を見たり、なかなか充実していた。うちはもう一つの世帯なんだな、と実感した。実家からは独立したひとつの世帯である。 さて、仕事の方は上半期がもうす…

矢部太郎『大家さんと僕 これから』

大家さんと僕 これから 作者: 矢部太郎 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/07/25 メディア: 単行本(ソフトカバー) この商品を含むブログを見る 芸人の漫画らしく、ボケと突っ込みというお笑いのロジックが堅持されている。僕が暮らす下宿の大家さんは…

暑い

毎日暑い日々が続く。エアコンをかなり使っているので、8月の電気代は結構かかるだろう。少しでも外出して帰ってくると部屋の中は暑くなっている。エアコンはつけざるを得ない。普通に仕事をしていてもいつもよりも疲れる暑さだ。エナジードリンクに頼った…

プリーモ・レーヴィ『休戦』

休戦 (岩波文庫) 作者: プリーモ・レーヴィ,竹山博英 出版社/メーカー: 岩波書店 発売日: 2010/09/17 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 66回 この商品を含むブログ (21件) を見る 著者レーヴィが、アウシュヴィッツ収容所から生き延びて、故郷のイタリア…

リチャード・バック『イリュージョン』

イリュージョン (集英社文庫) 作者: リチャード・バック,Richard Bach,村上龍 出版社/メーカー: 集英社 発売日: 1981/03/20 メディア: 文庫 購入: 3人 クリック: 55回 この商品を含むブログ (80件) を見る 本小説のテーマは人間の自由である。ドンは救世主で…

軌道に乗る

仕事が軌道に乗ってきた。もちろんまだまだ学ぶべきことは山ほどあるが、とりあえず資料を適切な量収集し、適切な量処理するというサイクルをこなせるだけ学習は進んだようである。ここからさらに仕事を精緻化していく必要があるが、とりあえず並みの水準に…

高山羽根子『居た場所』

居た場所 作者: 高山羽根子 出版社/メーカー: 河出書房新社 発売日: 2019/01/17 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 本小説を読んでいると、我々がいかに不安を忘却して生きているかわかる。本来私たちは、自分が何者であるかとか、自分がどこに住…

夫婦は大変

これまで割と結婚の良い面ばかり書いてきたように思うが、もちろん結婚には苦労する面も多々ある。 まず、お互いの生活ルールが違うため、そのすり合わせに気を遣う。整理整頓など割と細かいところにおいてお互いの感覚が違うため、ルールを統一しないと互い…

町屋良平『1R1分34秒』

第160回芥川賞受賞 1R1分34秒 作者: 町屋良平 出版社/メーカー: 新潮社 発売日: 2019/01/25 メディア: 単行本 この商品を含むブログを見る 年若いプロボクサーの奮闘記。ボクシングというと体を動かす要素が大きいため、ここまで文字にする要素があったんだ…

ヘルタ・ミュラー『狙われたキツネ』

狙われたキツネ 新装版 作者: ヘルタ・ミュラー,山本浩司 出版社/メーカー: 三修社 発売日: 2009/11/14 メディア: ハードカバー クリック: 14回 この商品を含むブログ (16件) を見る 本作品はチャウシェスク独裁政権下のルーマニアでの生活を描いたものであ…

夏が来た

今年も夏がやってきた。私は夏が苦手である。というのも夏は体力を消耗する季節であり、昔はよく夏風邪を引いたし、最近は夏バテをするようになった。夏は暑さに疲労する季節であり、私がいつも心掛けている疲労のマネジメントの真価が問われるときである。 …

中村武羅夫『現代文士廿八人』

現代文士廿八人 (講談社文芸文庫) 作者: 中村武羅夫 出版社/メーカー: 講談社 発売日: 2018/06/10 メディア: 文庫 この商品を含むブログ (1件) を見る 明治時代、名だたる文学者の家を訪問して話を聞き、その文学者から受けた第一印象でもってその文学者の人…