albatros blog

広田修の書評とエッセイ

絵本

キーツ『ゆきのひ』

ゆきのひ (偕成社の新訳えほん―キーツの絵本) 作者:エズラ=ジャック=キーツ メディア: 大型本 雪の日、子どもは大喜びする。世界がまるで違ったものに変わるからだ。雪の日、世界は可塑的で幻想的になる。それまで触れることを拒んでいた世界が、線をつけた…

青山七恵・刀根里衣『わたし、お月さま』

わたし、お月さま 作者:青山 七恵,刀根 里衣 発売日: 2016/11/08 メディア: 大型本 お月さまが昔やってきた宇宙飛行士を探して、小さな黄色いボールとなって地球を旅する話。お月さまは宇宙飛行士に再会し、宇宙へ帰っていく。この絵本で斬新なのは、月が地…

いもとようこ『かぜのでんわ』

かぜのでんわ 作者:いもとようこ 発売日: 2014/02/17 メディア: 大型本 丘の上に据えられた電話は、もう会えなくなった人へ話しかけるとそれがその人に届くと言われている。家族を亡くした動物たちが続々電話を掛けに来る。そしてあるとき急に電話が鳴りだし…

大川悦生・渡辺三郎『三ねんねたろう』

三ねんねたろう (むかしむかし絵本 8) 作者:大川 悦生 メディア: 単行本 いくら働いても暮しが楽にならないねたろうは、苦しみあぐねて眠り続けてしまう。寝ているねたろうのことをいろんな人がからかう。だが、目覚めたねたろうは農地を豊かにする方法を思…

えがしらみちこ『ゆきみちさんぽ』

ゆきみちさんぽ (講談社の創作絵本) 作者:江頭 路子 発売日: 2016/11/10 メディア: 単行本 女の子が冬のお外を散歩していろんな発見をするお話。ここにあるのは愛と感受性である。女の子は冬の外の世界の音を聞いて、それが何に由来するか発見し喜んでいる。…

二宮由紀子、あべ弘士『ねえどっち?』

ねえどっち? (PHPわたしのえほん) 作者:二宮 由紀子 メディア: 大型本 ある日人間の子どもがやってきて、シマウマに「あなたは白い縞のある黒い馬なのか黒い縞のある白い馬なのか?」という問いかけをして去ってゆく。シマウマは答えがわからなくて、この論…

岸田衿子、中谷千代子『かばくん』

かばくん (こどものとも絵本) 作者:岸田 衿子 発売日: 1966/12/25 メディア: 単行本 この絵本ではカバの怠け者で食いしん坊で寝坊助、総じて愛すべき点が描かれている。読むものはカバに対して親愛の情を抱き、カバを近くに感じる。カバは身近な誰かさんかも…