albatros blog

広田修の書評とエッセイ

育てることで育つ

 育児をしていて、新たな世界が目の前に広がったように感じます。まず物の見え方が変わってくる。街中で目にする赤ん坊についても細かく認識することができるようになるし、街中にある赤ちゃん用のスペースとかにも敏感になるし、赤ちゃんにとって快適なものは何か、不快なものは何かとか判断するようになる。そして様々な育児の知識・スキルを獲得する。こういった他分野の知識・スキルは必ずや人格を大きく形成して教養を増すだろう。そして、そもそもケアするということを実体験として理解するようになる。ともに居るということ、まなざしを注ぐということ、触れるということ、そういうことの複雑な機微を理解するようになる。総じて育児の経験はそのようにして私の人格を形成する、教養を形成する経験でした。