albatros blog

広田修の書評とエッセイ

アグアルーザ『忘却についての一般論』

 アンゴラでの内戦の状況において、閉ざされた空間で27年間を生き延びた女性の物語。アンゴラでは長年ポルトガル支配下にあったが、解放闘争が激化し、1975年に独立を宣言した。そのような動乱する状況のなかで、マンションに閉じ込められた女性と独立の動乱を乗り越えた人々が交流する。

 とにかく、このような状況が起こるということ自体平和な日本では考えられない。まさに、内戦においてはこういうことも起こりうる。そして、女性は極限状態に置かれる。政治的な闘争の片隅で、一人の女性がその余波を被り、このような特殊な人生を送ることになる。平和が望まれるものである。