本書は、さながらクラシック音楽の一幕を聴くかのような圧倒的な出来栄えの作品だった。ヨハネスの誕生については幾分速めで感動的な楽章。ヨハネスの日常生活についてはなだらかでリラックスできる楽章。ヨハネスの恋愛についてはアップテンポで華やかな楽章。それぞれ文体や書法が異なっており、音調の違いを感じさせる。
一人の人間の人生を交響楽のように描くということ。文体に荘厳さを持たせ、それぞれの楽章ごとに特徴を持たせる。本作はさながら交響楽のように一人の人間の人生を描いていて、音楽が聞こえてくるかのような構成になっている。このような文学作品が可能なのだということを体現する素晴らしい作品である。
