本書はハン・ガンによる、ポピュラーソングをめぐるエッセイ集である。我々は、ポピュラーソングに愛着を持つと同時に、ポピュラーソングと人生の一時期が結びついており、お気に入りのポピュラーソングについて書くことが自分の人生を振り返ることにもなる。本書はアタッチメントとノスタルジーが色濃い。
ハン・ガン特有の、えぐりこむような詩的文体は健在であり、ハン・ガンの人生をある程度は知ることができる。思い出の歌について語るときのノスタルジー、曲へのアタッチメント、そういうものは誰もが抱いているものであり、ハン・ガンに寄り添う形で我々もノスタルジーやアタッチメントの感覚を抱く。読んでいて心が親しみを感じる良いエッセイ集だった。
