星は本詩集によって、存在のきしみを描こうとしていると思った。存在同士はきしみ合っている。例えば人間関係にもたいていきしみがあるし、社会関係においてもたいていきしみがある。そもそもが世界の存在は必ずしも和しあっているのではなく、不和をきたしてきしみ合うことが多い。そういう存在のきしみの音が聞こえてくる。
だが、星はそこまで絶望的なきしみを描こうとはしていないように思える。ここには回復可能なきしみがあり、むしろそれはたえず平和の方角へ修正されているきしみである。それは社会関係において絶えずきしみが修復されていることとパラレルであろう。きしみは不可避である。だがそれは平和を目指して修復可能である。そんな平和へのまなざしが見える。
